ペンション・モーツァルト日記

山中湖畔・平野の森の入り口にある“ペンション・モーツァルト”の日記です。

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日本一の春の風景

もうすぐサクラの便りが各地から届く季節になりました。標高1000mの富士山麓の桜の季節は4月下旬です。そこで、毎年待ちきれず一足先に春を楽しみに出かけています。桃の里の“香王観音”様に会いに、それこそいそいそと出かけます。

甲府盆地は日本一の桃の産地で、4月初旬盆地の端から端まで、視界を全て何十万本という桃の花が埋め尽くします。純白に輝く南アルプス連峰や八ヶ岳の圧倒的な存在感と、麓を埋め尽くす春の喜びに沸き返る花の絨毯…。“眼福”と云いますが、自然の壮麗な営みをこんなとてつもないスケールで見せられますと、もう“天晴れ!”という言葉いがい思いつきません。よく“日本一の春の風景”といわれます。

桃源郷

この春爛漫を前にすると、身体が隅々まで晴れやかに笑っているよう
に感じます。私達は自然の体内から、芽生えるように生まれてきましたから、根付いている母胎が健やかであることを知ることは、心ばかりか身体の健康にも良いものなのでしょうね。宮澤賢治の“ほんとうのたべもの”の‘ほんとうの’という言葉をかみしめるような思いがします。

桃の里の南山の中腹に、桃の花に包まれるように甲州真言七談林の一つ“福光園寺”という古刹が在ります。この時期には、晴れやかな花の風情に引かれてか人が訪れ、往時のにぎわいを取り戻します。そして桃の花の咲くように、秘仏とされる座像の“吉祥天女”仏と“香王観音”様がご開帳されるのです。

吉祥天女仏で座像は珍しく重要文化財に指定されています。全高2mの堂々たる体躯で、見事な満開の蓮華座の上に威厳を誇り、まるで宇宙そのものを神格化したと云われる大日如来の風情です。脇侍には、右に四天王の東の守護神、生きとし生けるもの全ての平安を守る“持国天”様。左には、北の守護神・六道を輪廻する全ての魂の苦しみ悲しみ、嘆きを受けとり、共に寄り添い歩むといわれる“毘沙門天(多聞天)”様が守護しています。

一分の無駄も隙もなく力に横溢し、まるで阿・吽の仁王のごとく立つ脇侍の法衣には、祈りを込めた“天”の字が護符のように書かれています。三体とも目は当時はまず珍しい水晶に金を埋め込んだ象嵌です。香の薫りを焚きしめたほの暗い闇の中、八百年の命を生きてなお、おぼろな蝋燭の光にも、カァッと両眼を見開き、虚空を凝視しています。

人がこんな眼に凝視されれば、ただ刮目し脈打つ命の音に耳を傾けることしかなくなるのではないでしょうか。そしていつしかそれが己の中に脈打つものか、はたまた仏の中に脈打つものに、ただ共鳴りしているものなのか分らなくなることでしょう。その場にひざまづき、その分らなくなる先のことをいつも思いました。

吉祥天・ラクシュミーは、海の泡から蓮華を持って誕生し、毘沙門天の妃であり、功徳天として美と幸せの守護神です。ボッティチェリの描いた有名な”ヴィーナスの誕生”そのままですね。

この吉祥天は、当時この地を治めていた三枝氏が圧倒的な甲斐源氏の前に滅亡を覚悟し、その後にも民の幸せなることを祈願して、都から当代一の大仏師・蓮慶を招き、作らせたものといわれています。春にこの桃のお寺を訪ねお会いするごとに、この三枝氏の祈願やそれに応えて戦火の悲惨が渦巻く中を旅した蓮慶仏師の心の有様を思わず
にはいられません。

このお堂の横には、見落としてしまいそうな古びたちっちゃな観音堂があり、珍しいイカリ草の花を脇侍に、お目当ての“香王(こうおう)観音”様がいらっしゃいます。奈良時代の大僧正・行基(668~749)の作と伝えられています。

行基は、国に奉仕する仏教にあきたらず“広く民衆を救う”という仏教本来の姿を取り戻すため、町へ出て民衆に教えを説いたり、旅人の行き倒れを助けたり、道や池、溝、港、布施屋などの社会事業施設を造り、四九ものお寺や、最後には東大寺建立にも係わりました。民衆の絶大な信仰を集め‘行基菩薩’とさえ呼ばれた方です。

お寺は、何度も戦火に遭い、そのつど観音様も炎に包まれました。燃える観音様を村人が運び出し井戸に入れ、百年にわたり村人はその秘密を守り‘ 龍神様への雨乞いの祈りだ ’と言い訳しながら井戸に向かってお祈りしたそうです。

燃えたお顔は元の姿を止めず、眉や鼻の頭や口元が黒く焼け焦げています。しかしその焼け焦げが、そのまま見事なお顔になっているのです。それは、本当に一点の曇りもないにこやかなお顔です。‘行基菩薩’が、『一切衆生悉有仏性』の思いを込めて創り上げた慈悲仏は、炎や千数百年の風雪にもその祈りを失わず、私達の心を深く慰めてくれます。建立当時から末永くお堂を満たしていたと云われる白檀の残り香につつまれるような思いです。
                     
よろしければ、ご案内させていただきますので是非お出かけ下さいませ。
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山中湖が22年ぶりに全面凍結しました。

山中湖が22年ぶりに全面凍結しました。

あの広大な湖がまっ白で、白雪の富士とみごとな光景を作っています。雪の降るのがめずらしく、宝もののように冷蔵庫にしまっていた南国徳島から引っこして、全面凍結した山中湖を初めて見た時の‘アァ~!やぱっり天上の海なんだ~’と感慨ひとしおだった頃を思い出します。

だって、あの広大な湖面を車が‘チョロQ’みたいに走り回ってるなんて生まれてはじめて見ました!昔の小学校の木の椅子に、生まれたての子供を乗せてワイワイキャーキャーすべったスケートや、氷に穴をあけて‘ワカサギ釣り’を楽しみました。親子四人つららになる予定だった冬が、待ち遠しいワンダーランドになってしまったのです。

不思議な穴の奥から緑色の燐光を放ちながら上がってくるワカサギはまさに‘公魚’の字のごとく天の魚でした。湧き立つ湖水が氷を打つドォ~ン、ドォ~ンという音は天の太鼓に思えました。‘ どうだ!’といわんばかりに富士の笑い声が聞こえてくるような天晴れな日々でした。全国に有名だったこの冬の風物詩が絶えて、もう22年もの歳月が過ぎ去ったのですね。

この冬はチャンスです!よろしければぜひお越しくださいませ。

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山中湖畔“ペンション・モーツァルト”は、四季折々の彩りに満ちた美しい森の中で、あなたをお待ちしています。

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